52人が本棚に入れています
本棚に追加
魔紐を解くことにより、内に縛り付けていた坩堝の中身が噴火の如く噴き上がる。
その直後、変化が訪れた。
猫のようだった身体から、沸き立つように筋肉がボコボコと盛り上がり、それに比例するかの如く骨が鈍い音を響かせながら急激に成長し、骨格が変型していく。
それは人型。
ただし、虎を無理矢理に人型へと成形したかのような姿だ。
人間らしいところなどなく、二足歩行ではあるが、それは四足動物らしい爪先立ち。
2mを軽く越える程の巨体。
筋骨隆々とした身体の内からは、見た目以上の威圧を感じさせる。
変化を終えた風は、身体の調子を確かめるように、節々を捻ったり伸ばしたりする。
そんな風の顔にズボンが叩き付けられた。
ズボンを顔からどかし、投げた先を見れば、顔を真っ赤にしたエヴァの姿が。
「いつまで股のモノをぶらぶらさせておく気だ!
それでさっさとしまえ!!」
「おう、準備が良いな。
にしても、いい加減慣れろよ。
ほぼ毎日俺の見てるだろうが」
「いいから、さっさと履け!!」
「分かった分かった。履くから落ち着けよ、何だ?
俺の見て興奮してんのか?」
「……ブッコロス」
最初のコメントを投稿しよう!