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目の前の母性的な眼鏡美女を残念に思っていると突然、菲のクラスメイトの神楽坂明日菜(かぐらざかあすな)がネギにタックルを噛ましたかと思うと、ネギを連れ去り小声でないしょ話をしているようだ。
残念な事に、耳のいい俺には丸聞こえだが。
「チャンスよチャンス!!
わ、わ、わかってるわね!!
さりげなくよ、さりげなく!!」
「は、はい!
読心術ですね!!」
おい、お前ら。
「しっかりやるのよ!」
「ま、任せて下さい!」
いや、おい、待て待て。
何か怪しい会話しながら戻ってきたぞ。
「「先生カンパーイ」」
「あ、カンパーイ」
しかも途中で他の女生徒とそれこそ、さりげなく乾杯しやがった。
そして、なに食わぬ顔でこの席まで見事舞い戻って来やがった。
「いや――。
なかなかうまくいかなくて……」
どの口がそんなことを。
「ハハハ、まあ次から頑張ればいいさ」
「所でタカミチ」
「え?」
ネギがさりげなく右手をタカミチのおでこに当てる。
しかし、普通に考えてもどれだけさりげなく触ったっておでこは気付く。
何か策でもあるのか?
「アスナさんの事どう思ってる?」
そこは、さりげなく聞かねえのかよ!?
そりゃ、神楽坂がズッコケても仕方がない。
但し、静かにズッコケろ。
皿を割るんじゃない。
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