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「覗きとは良い趣味をしているな。弌(イー)」
その声にビクリと肩を跳ねさせ、恐る恐る振り返ると、ウエーブがかかった金髪ロングの幼女と若葉色の長髪を持つロボ娘がいた。
金髪幼女こと真祖の吸血鬼であるエヴァンジェリン、その従者の茶々丸。
菲のクラスメイトに少なからずいる人外女子だ。
「はぁ、おどかすなよ。
誰かと思っただろ。
それと、その名前で呼ぶなと言ったはずだが?」
「フン、私の知ったことか。
それより、どうせ暇ならちょっと"付き合え"」
「補足しておきますと、マスターの発言は恋愛感情による告白ではなく、『ちょっと、面貸せよ』『体育館裏に来い』という意味での"付き合え"です」
チッ、ボケを先回りして潰しに来やがった。
流石はエヴァの従者、死角なし!
「まぁ、別に良いけどよ。
"付き合え"っていつものやつだろ?
最近ほぼ毎日じゃねぇか」
「ハッ、普段から動物のマネゴトをしているお前に息抜きを提供してやっているんだ。有り難く思うんだな」
「マスターは照れているだけですので気にしないで下さい、風さん」
「コラッ、茶々丸!」
「………失言でした」
肩を怒らせて怒鳴るエヴァと、無表情なまま口に手を当てる茶々丸。
俺は軽く跳躍すると、エヴァの頭に飛び乗った。
「付き合ってやるけど、先に菲に断ってからにしろよ」
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