子供先生がやって来た

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◆◆◆ 通称(別荘)。 エヴァンジェリンが自宅のログハウスの一室に造った仮想世界。 それは結界の一種であり、この中でならばエヴァは本来の『闇の福音』と呼ばれた実力を発揮できる。 この学校で再会してからというもの、ほぼ毎日のように軽い運動という名の戦闘行為を強いられているのだが、お陰で腕が鈍らずにすむので、俺個人悪い気はしないのだ。 「いつまでその首紐を締めているつもりだ。 封印したままで、私と渡り合えるなどとは思っていまい。さっさと外せ」 エヴァンジェリンに促され、首に締めている紐を外す。 その紐は、勿論ただの紐ではなく、宝具・アーティファクトに連なる物。 魔紐・グレイプニール。 神獣・魔獣の類いの力を抑え、対象を縛り付ける。 しかし、その効力は絶対的な物ではなく、あくまで力をある程度抑えることしかできない。 現に、北欧神話において、フェンリル狼はグレイプニールで縛られながらも、戦いの神テュールの右腕を喰い千切っており、ラグナロクの際は自力で解いて主神オーディンを喰い殺している。 しかし、ただ力を抑え、その素性を隠したい場合となると話は別。 これほど便利な物も、他にはあるまい。
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