第一章

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最東国のはずれには見るからに歴史を感じさせる古びた寺院があった。 そこにはたくさんの坊主達の中で暮らす一人の少女がいた 名は すずろ  艶やかな黒い髪を一つに束ねている 体は小柄で、ぐりぐりとした大きな瞳はその幼さに拍車をかけている。 「院主さま。今日の水くみがおわったので、裏山にいってもよろしいでしょうか?」 「またかね。飽きもせず、よくやることだな。好きにしなさい」 不快感をうかべながらも院主はすずろの願いを了承する
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