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茂みから飛び出したのは一人の青年
白銀の長い髪は腰あたりまであり、きれながの瞳はすずろを優しげにみすえている
「銀!」
すずろがそう呼びながら銀と呼ばれた青年に抱き付く
銀は少し照れたような表情でそれに応えた
「また一人で来ようとしたのですか?山道は妖怪や獣があふれているんですよ?」
「だって皆に早くあいたくてさっ!これ見て!お・み・や・げ」
満面の笑みで手に持っていた菓子の袋を銀の前に高くかかげた
銀はあきれたような顔をして小さくため息をついた
「私達の為にこんな事しなくていいんですよ。あなた自身の為にお金は使って下さいと、この間いったとこでしょう?」
「うん。だからあたしがシたいことの為につかったよ」
またも繰り出した満面の笑みに、銀は先程よりも大きな溜め息でこたえた
「あなたって人は…」
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