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相「まぁ…二つ目は、演劇祭の最終日に舞台を用意してやる」
歩「舞台…ですか」
思わず声がはずんでしまう。
なんというか…『舞バカ』と美里たちに称されるほど、舞が好きなのです。
女形を主とする五十嵐家の後継者として育てられてきたのだが、それとは別に、教えてもらうよりも前から、こっそり母の舞を見ることが日課だった。
しかし、最近は時間がなく、着物や扇を持ってきてないため、どうしてもきちんとした練習や舞が舞えずにいた。
歩「…ひきょうです」
相「まぁ、誘拐までしたんだし、ひきょうでもなんでもするだろ」
ナ「相ひゃんあくゅにんー」
セ「ナル言えてなーい」
静かにしろと言われてアメをもらっても、フードの双子は静かにする気がないらしい。
歩「……考えておきます。なので、今日のところは帰させてください」
相「そうはさせない。というか、今決めて。姫」
言われたと思った瞬間、目の前に相澤さんの顔があった。
結ばれた両手は抵抗したのに、頭の上に片手で止められてしまった。
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