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【五十嵐 歩亜】ー過去ー
僕が10歳ぐらいの頃、行方をくらました。というのは建前で。
本当は、知らない人に拉致されたのを知っているのは、限られた一部の人間だけだった。
なぜなら、その知らない人が一族の人間で、10歳になった僕を『姫神』にしようとしていたから。
彼らの考えた降霊術のようなものはしごく簡単で、
「今日からここで住め」
と、入れられた神社のほこらの中で、毎朝大量の食べ物と共に、1ヶ月近く監禁された。
最初は抵抗していたけれど、逃げることもできずに日々が過ぎて、助けは来なかった。
そのあとは…冷たい水を浴びせられ、巫女服を着せられて、神社の本堂に監禁された。
日替わりで知らない人が毎日持ってくる、大量の食べ物は変わらなかったが、持ってくる人の目付きが、段々と変わっていった。
そしてある日、お坊さんのような人が棒を持って現れた。
何をするのかとずっとみていると、にやりと笑う。
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