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「ごめん」 彼はそう言った。 今日の言葉は、いつもの聞き慣れた言葉よりも、私の心が傷付いた気がした。なぜか……泣きたくなった。こんなに小さいことで。 なんで謝るの? 他の人みたいに『うざっ』とか『愛想悪い』って言えばいいのに……。今日はこれから学校で過ごすのやだなぁ。なんだかわかんないけど、この人はもっとやだ。 何かを恐れるように、私は急いでその場から逃げ出したくなっていた。自分が、自分でいられなくなるような気がしたから……―― 「美穂、どこ行くのー!?」 気がつけば、廊下を走り出してた私に向けて、光の声が追いかけて来た。 ごめん、光。今日は帰る。そう後でメールしよう。 今は調度、朝のSHRが始まる時間。どっかの先生と会ったりしたら、引き止められるに決まってる。 私は全力で走っていた。
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