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『何あいつ……キモ』 『あれは無いわー』 『なにあれ、うざぁ。…………ってか、すっごくイケメンじゃない? あの子――』 そんな声が耳から伝わって、そのまま私の心に届く。 私が悪い。この状況を見た全国の人間が、口を揃えてそう言うと思う。 もちろん私だって思ってる。『ごめんなさい』って。本当に―― まあ。恨むなら、あなたのそのイケメンな顔を恨みなさい。はっはっはっー…………。 って、私のバカ。何様だよって、自分でツッコミたくなるね。はあ……でも別にいいや、人にどう思われたって――……もういいんだ。 とりあえず、この場所は居心地が悪いなぁ。周りもうるさいし。 そんなことを考えてたら、目の前のそいつがまた声を発してきた。 『お前、愛想悪過ぎ』 ――17年間生きてきた私が言われ慣れた言葉。 もちろん、そんな言葉を今日も耳にするのだと思っていた。 けど――今日は違った。
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