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私の名前は 春乃 美穂(ハルノ ミホ)。一般の進学高校に通う二年生。 「……はぁ。今日は頭痛いから学校休もうかなー。うぅー、いたたたぁ……」 リビングのソファーで寝転がりながら頭を押さえるふりをする私。もちろん痛くなんかない。今日はなんとなく学校に行きたくない。 「え? 大丈夫? 最近は変な病気が流行ってるからね。美穂、一応お医者さん行く?」 心配するようにこちらを窺う母。私の母は、一人っ子の私にめちゃめちゃ甘い。 そしてこの困惑仕切った母の表情を見てしまうと、私の心は純白な色に染まってしまう。 「あ、治ったかも」 「へ?」 母の声が裏返った。 「あ、うん平気だ。なんともないや。心配しないで」 そう言ってソファーから立ち上がり、さっさと身支度を始める。その様子を眺める母はポカンと口を開けていた。 ははは。そんなに驚かんといて。
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