31人が本棚に入れています
本棚に追加
学校の近くまで来ると、同じ制服の生徒がちらほら見えた。
その中で、私の大好きな人物の姿が見えたときには、はっきりとした声で呼び掛けていた。
「ひかりぃー!」
私の声が届いたらしく、彼女はすぐにこちらへ駆け寄って来た。
彼女は、夏川 光(ナツカワ ヒカリ)。高校になって知り合った友達。親友とも言える存在なの。
「おはよっ。美穂」
私の目線よりも上から話しかける彼女は、一般的に言う“可愛い子”ってやつだ。
背も高く、色白な肌に際立つ、大きくはっきりとした瞳。そんな瞳で、しかもこんなに間近で見られたら、世の男は一瞬で恋に落ちるだろう――
そんなことを考えていたら、私が話を聞いてないみたいな感じになっていた。
「美穂? 聞いてるの?」
「あ、うん。ごめん。おはよぉー」
最初のコメントを投稿しよう!