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「美穂はもうちょっと興味持った方がいいよ? そういうの」 「いーの。私はそういう世間に流されたくないから」 自分で言ってて思うのだけど、流されたくないと言うよりは、現状の維持を保持したいだけ。 「もー、、、どこかの頑固なおじいさんみたい」 「うーるーさーいー……――ぅわぁっ!」 そのとき、前方の何かとぶつかった。多分私が悪い。私の前方不注意だ。 「……いったたたー……――」 小柄な私は、ぶつかりに行った方だと思うのだが、逆に跳ね返される形になった。床に腰を着き、廊下の床に座り込む。 「……平気?」 そんな声が上から差した。落ち着きのある男の子の声だった。
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