第一章 三島由紀夫と二・二六事件

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摩訶不思議な事件 三島哲学による天皇制批判、それが最もラディカルなかたちで現象化したもの、それが、二・二六事件であった。 それは、欧米流の革命の理論からすれば、全く、ありうべからざる現象である。 また、従来の日本的な考え方からしても、反乱であるともいいきれない、かといってまた、反乱でないともいいきれない。 まことに不思議このうえない現象なのである。 これを何と説明すべきか。 皮相浅薄な説明なら、ずいぶんと提出されてはいるが、まだ、満足すべき説明には接していない。 筆者は、この摩訶不思議な現象を、三島哲学で説明することにしたい。
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