第一章 相反する声が渦巻く場所

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「あぁロベルト!こちらにいらっしゃったのですね」 「やぁ平賀。おはよう」 「おはようございます」 少女から言われたように礼拝堂へと向かうと、ちょうど扉から彼が出てきた 「僕を探してくれていたらしいね。どうしたんだい?」 「…?誰からそれをお聞きに?」 どうやら誰にも聞かずに闇雲に探していたらしい 平賀らしいと内心で笑いながら答えた 「女の子だよ。君があたふたしているのを知ってしらせてくれたんだろうね」 「……そんな方とすれ違ったでしょうか…」 首をかしげて考え込む平賀 「その女の子はこのバチカンに居る幽霊に聞いたそうだよ」 「……?」 「所で、何故僕を探していたんだい?」 思考の迷路に迷い混み始めた平賀を制するように声を掛ける 無論、混乱させたのはロベルトであるが 「あぁ、忘れていました…えぇと、サウロ大司教がお呼びです」 「そうか。ならすぐに行こう」 「はい。そうしましょう」
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