第一章 相反する声が渦巻く場所

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「サウロ大司教、ロベルト・ニコラスと平賀・ヨゼフです」 「入りなさい」 「失礼します」 扉を開けて、ロベルトは固まった 「え、お兄さん?」 「君、どうしてここに!?」 驚いたのはこちらだけらしい 少女は無表情にこちらを見ている 「伽藍、そちらの方とは知り合い?」 「ロベルト、どうしたのですか?」 お互いの相方に尋ねられ、二人は順に言葉を紡ぐ 「広場の噴水に座ってて」 「あんまりにも気になったから声を掛けたんだ」 「何してるんだって言われたから、幽霊と妖精見てるって答えて。信じてくれたからびっくりした」 「あれで驚いてたのかい?」 「私、びっくりすると無表情になるの」 「じゃあさっきも驚いていたのか…」 「うん」 大きく頷かれてロベルトは思わず笑った
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