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僕は手紙を読みきり、丁寧に折りたたんで男に返した。深夜、起き出して、猫にチョコレートをやる?僕はその問いを二、三度、頭に考え浮かべてみた。確かに奇異ではあるが、決していけないことではない。その男は額の汗を相変わらずハンカチで拭い、実直そうにそのハンカチを折りたたんでいた。そして、飲み物も飲みきったので僕らはコーヒーショップを出た。出口のところで僕は男と別れた。
僕は帰り足、また考えた。普通の夫婦の夫が深夜起きだし、公園に行って猫にチョコレートをやる?僕は何とも分かりきれぬ思いで家へ帰った。
(了)
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