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常連と言えど、毎日は来ない。
一姫の事を伝えようと思っても、大抵彼ら゙color゙が来るのは週末だ。
(あと2日か…。)
「アイ君、ゴミ捨てお願い~。」
開かない扉を眺めていると、カウンターから声をかけられた。
「はい、行ってきます。」
ゴミ袋を片手に、店の裏口にある階段を上がる。
裏道と隔てるように設置されている扉を解錠し、開けた先にはいつもはない人影があった。
「……君がアイさん、かな?」
俺を視界に入れた人物が笑顔で聞いてきた。
明るい髪色に、軽くパーマをかけているのか毛先が遊んでいる。
「はい、そうですが…どなたでしょうか?」
明らか、一姫関連だろうけど。
「゙四季゙の幹部の一人で夏木 薫-ナツキ カオル-と、言います。」
実力行使に来たのかと後ずさる俺に、名乗りお辞儀をする゙四季゙の幹部。
「姫と春日が迷惑かけてしまったようで………謝罪しに来ました。」
お辞儀のまま言う彼を見つめ、゙四季゙の幹部にもまともな人がいると知った。
ちなみに、裏口で待っていたのは『bar.モザイク』が゙color゙の拠点だからとも説明し、今後ば四季゙のメンバーを来させない事を約束してくれた。
これで終わりだと、その時は思った。
それが、甘い考えだったと2日後に知るー…。
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