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週末、慌ただしく俺は開店準備をこなしていた。
(……マスター遅いしっ!)
壁掛け時計で時間を確認すれば、本来出勤している時間から30分過ぎていた。
カランッ
「マスター遅刻!」
扉についているカウベルが鳴り、確認もせずに声だけかけた。
「とっとと着替えて…」
振り向き、扉の方を見れば見覚えのない連中が店内にいた。
皆一様に、気持ち悪い笑みを浮かべて…。
「………お客様、まだ当店は開店しておりません。」
口から出るのは3日前にも言った台詞。
「お引き取り願います。」
「イッヤでーす。」
気持ち悪い笑みのまま、答えたのは中央にいたドレッドヘアーの男。
(なんなんだ…?)
「冬也-トウヤ-さ~ん、この子すんげぇ貧乳じゃん。つまんなそー。」
「スレンダーって言ってあげなよ、可哀想だろ?」
冬也と呼ばれ、答えたのは中央のドレッドヘアーの男。
名前と特徴からしで四季゙の如月 冬也-キサラギ トウヤ-で、間違いなさそうだ。
絶望感に、モップの柄を強く握りしめた。
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