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俺は自由な足を振り上げ、冬也を蹴りつけようとした。
避けられた後、頬に走る傷み。
女だと思われているせいか平手打ちだった。
だが、痛い事は痛い。
「…暴れんな、次は殴る。」
腹立たしげに言う冬也、頭にきているのは俺の方だ。
何が彼女にした、だ。
こっちの同意も得ずに言いふらす一姫、それを疑いもせずハッキングしてくる春日、挙げ句実力行使で暴力を振るう冬也。
「゙四季゙の幹部の半分は頭イッてるのか?」
鼻で笑えば、拳が飛んできた。
反動で眼鏡が床に落ちたがそれ所じゃない、頭の中が揺れている。
「ちょ冬也さん、殴るのはマズイっす。」
拘束している奴が言うが、貧乳でつまんなそうと言っていた奴だ。
会話からして女性に対し、暴力としか言えない事をしに来た癖に、何を言っているんだろう。
口の中が切れているのか、血の味が口内に広がる。
「徹底的に潰す」
寒気が走る程冷たい声と喧騒が耳に入る。
気分は最悪で、涙が出そうな程気持ち悪いはずなのに、俺は最高に醜悪な笑いを漏らす。
(゙火の粉は払え゙だよね?)
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