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「…………誠一郎-セイイチロウ-さん?」
成程、確かに『bar.モザイク』関係でば俺゙の事を知っている人はいない。
だけど、この人はー…。
『透、遊びに行くか?』
本庄 誠一郎-ホンジョウ セイイチロウ-、父親の友人で小さい頃からとても可愛がってくれた人。
「なんでここに?」
「なんで、は俺の台詞だ!」
落としたバインダー等はそのままで、テーブルまで近寄ってきた。
そして、伸ばしたままだった俺の手を掴み、その先にあった一口分のオムライスを食べる。
「ゴチソウサマ。」
「……本庄先生、まずは落とした物を拾って来なさい。」
俺が返答するより先に勇さんが言う。
「…了解。」
渋々といった感じで拾いにいく誠一郎さん。
それを見ながら、疑問を口にする。
「勇さんは誠一郎さんとも昔馴染みなんですか?」
「そうだよ。でも、藍住君が本庄先生を名前で呼ぶ仲だとは知らなかったけどね。」
言われてみれば確かに、勇さんがいる状態で、店やマスター宅に誠一郎さんがいた事はない。
(それにしても…)
「誠一郎さんって、ホストじゃないんですか?」
戻ってきた誠一郎さんの姿は見慣れたスーツ、だが色がこの場所に添わない。
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