案内、遠慮します。

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「まぁホストだった時期もあったが、今は教師だ。」 久しぶりだなーっと頭を撫でられる。 この感覚は懐かしい。 「俺は、今日からここに編入する事になったんです。」 席につく誠一郎さんにそう言うと、驚愕された。 「ちなみに藍住君は、1-Aだ「1-Cに変更で」よ」。 言葉を遮る誠一郎さん、二人の視線が絡み合い場は沈黙する。 俺は二人を眺めながら、少し冷えてしまったオムライスを口に運んだ。 多少冷えても旨かった。 「…………仕方がないな。貸しにするよ?」 先に折れたのは、勇さんだった。 「よしっ!透、何かあったら担任の俺に言うんだぞ?」 成程、だから変更させたのか…満開の笑顔が眩しい。 「よろしくお願いします、本庄先生。」 軽く会釈し、顔を上げれば拗ねている様子の誠一郎さんがいた。 「…理事長は名前呼びなのに、なんで俺の呼び方は先生なんだ?」 聞こえていたのか。 「俺も名前呼びがいい。」 そう言いながら、銀色のカードを取り出し、先程の機械に差し込む誠一郎さん。 どうしたものかと考える。 「透、なんかデザート食うか?ここのチーズケーキ旨いぞ。」 (コレだ。)
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