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「本庄先生、それじゃ藍住君はわからないよ。」
軽く笑いながら言う勇さんが続けて説明してくれたが、俺は理解が追い付かなかった。
「…はぁ、生徒に振り回されない為ですか…」
「透、この事は内緒にしとけよ?面倒なんは嫌いなんでな。」
煙草でも銜えれば、その面倒臭いと言った顔も最高に格好いいんだろうな、無くても格好いいけど。
「…し、失礼します~。」
声がし、振り向くが姿は見えない。
「………斎藤、上がって来い。」
階段に向かい声をかける誠一郎さん、そうか階下にいるのか。
「あれ、本庄先生もいるんっスか?」
「いーから、とっとと上がって来い!」
苛立ちを隠さず言う。
先生に見えないと、これで何度思っただろう。
「ひぃ、すぐ上がりまスよー………短気なホスティーめ…」
不貞腐りながら階段を上がってきたのは、顔面偏差値高めのブレザーを着た奴だった。
「あれ、理事長もいる。」
所謂イケメン斎藤君はこんちゃース。と物怖じもせず、勇さんに挨拶した。
「相変わらずだね、斎藤君。こんにちわ。」
崩れた挨拶にも関わらず、笑顔で挨拶を返す。
うん、勇さんこそ先生な感じがする。
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