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「理事長室まで、案内しますね。」
作り笑顔を浮かべたアオさん…いや、副会長はそう言った。
「すみません、よろしくお願いします。」
お辞儀をし、初対面を装う。
いや、まさに初対面でしかない。
アオには、俺があの゙eyes゙だとはわからないはずだから。
「藍住君は、その…あまり表情が変わりませんが…何か、怒ってるんでしょうか?」
移動中、不意に話を振られ視線を上げる。
「いえ、普通にしているだけですが」
自分の頬に手を添えれば、表情が堅くなっているのがわかった。
「…緊張してるのかもしれません。」
学園に、というより目の前の貴方に…なんて言えないが。
「そうですか、まぁ慣れるらしいですよ。」
クスクスと笑う副会長は、素だった。
「ここです。」
立ち止まった所には、重厚感のある木目のドア、それにノックを三回。
「青柳です、転校生の藍住君を連れてきました。」
中から゙どうぞ゙と声をかけられ副会長と共に中へ入った。
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