たった1つの大切なボタン。

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忍足謙也として財前光に言うことはいっぱいある これでも一応付き合ってんねんからな? 「財前、好きや」 「な…」 唖然とする財前を抱きしめる "いつもヘタレヘタレって言われとるけど今日の俺はいつもより人一倍カッコええやろ?" って言ってやりたかったけどやっぱり俺はいつまでもヘタレらしい 財前を抱きしめるだけで精一杯 すごい今更やけどもう卒業なんやって、やっと実感する 財前とこうやって直接会って喋ったり抱きしめたりする回数が減るんやって思うと急に寂しくなった 「もう少しこのままでおりたい…」 そう言うと財前は俺の背中に手を回してくれた おおきに… 暫くすると財前の手が俺の制服をギュッと握り、肩が少し震えてることに気付く 「…財前?」 様子が気になって財前の顔を見ると、財前は泣いとった 「なっ…ちょ、どうしたん?」 財前はアホ、と泣きながら言った 意味が分からんくてとりあえず財前の頭を撫でてたら落ち着いたてきたのか、財前がポツリとこんなことを言った
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