第3章 舞踏会

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日も沈み、見上げる新月の空には輝く星達。 「モリー早く。もうすぐ始まってしまうわ。この飾りはイヤ!あっちの赤いのが良いの」 王女達の部屋は慌しく動く侍女や仕立て屋達で溢れていた。 と、言ってもエレーヌの支度だけなのだが、エレーヌの為にあると言っても過言では無い、この舞踏会。皆の気迫がいつもとは違う。 エレーヌがブランカと選んだ今夜の為のドレス。 鮮やかな真紅のドレスは、体のラインにピッタリと沿い、胸元も大胆に見せ、妖艶さを強調し、ドレスの裾は足元に行くほど広がり、後ろは床につくギリギリの長さ。 前は反対に膝が見えるか見えないかのラインで綺麗な足が見えている。 兄が見たら声を失うほど驚くだろう。 兄には、ああ言ったが、エレーヌには気になっている人が居る事をノエルとブランカは知っていた。 ブランカに相談した所、兄や周囲に気づかれないように情報を集めてくれた。 .
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