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その軽さに、一瞬驚き、燃えるように怒りを込めた瞳で前を見る。
すると青い目の男が、剣を少女の鎖に突き立て一気に砕く。
「良く頑張ったね。もう大丈夫だよ……安心して眠ると良い」
兄に大切に抱き上げられた少女に、この戦場では相応しくない優しげな微笑みを浮かべ、少女の顔に手をかざす。
…………天使様。ありがとう。
心の中で少女がお礼を呟くと、一気に眠気が襲う。
最後に映った光景は、綺麗な天使の姿だった。
「見つかったようだね……妹姫は私にまかせて、お前達は見つけて終わらせて来なさい。早くしないと逃げられるよ」
少女が眠ったのを2人が安心して見ていると、この場所には相応しくない女性の声。
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