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「新、危ないっそいつから離れて!」
焦った律が言い終わる前にナイフが首にあてがわれる。
「智、弘?」
「あれれ?新君、足震えてまちゅね?もしかして怖いんでちゅか?」
ニヤニヤしながらナイフに力を入れてくる。どんどん俺の恐怖がピークに近づいていく
「ひっ…なんで、こんなこと」
「なんでって?お前が生きていると、俺らにとって都合が悪いからだ」
「いって…」
首を少し切られ、血が首筋を伝う。
なんでこんな事すんだよ?智弘はどうしちまったんだ。こいつは……智弘じゃないっ
目をつぶり、智弘のことを心の中で何度も何度もで否定をする。
「ふ~ん…これが選ばれし者の血か」
「新!」
「…いっ…」
舌で傷口えぐられ、その痛みで俺は顔をしかめる。
「さすが、選ばれし者の血はうまいな。少量だけど血にまで魔力がある。全部吸い出してしまおうか…そうすれば、きっと俺の魔力も上がる」
耳元でそんな事を囁かても、今の俺には智弘の事を否定する言葉で頭がうめつされていて、聞こえてはいなかった。
「新を離して!」
「嫌だね。黒神からこいつを殺せと言われてるし~」
「…ならあんたを消すまでよ」
律は指を切り、その手で首にかけてあるネックレスに触れると、ネックレスが10本のナイフへと変化した。
も、もしかして律が言ってたことは本当なのか?…信じたくない……が、現にアクセサリーがナイフに………智弘だっておかしいし。
「新を傷つけた。その罪は重いよ」
「罪?はっそんなのこっちの俺らには関係ないね」
律は智弘の額に向かってナイフを投げたが、俺を盾にする。
「へ……ひっ」
手でガードしようとしたが間に合わない。向かってくるナイフも自分の行動も全てがスローに感じた。
俺、死ぬのか。…今まで何も親孝行してなかったな。太郎とも、もっと遊んでやればよかったな。前の智弘ともっとバカしたかったな。………もっと生きたかったな…
死を覚悟をした時、強い光りが起きた。
ナイフはカランカランと音をたて床に落ち、俺は床にへたりこむ。
「俺、生き…てる?…し、死ぬかと思った」
だけど、さっきの光りは何だったんだ?手に違和感を感じ見てみると、剣を握っていた。
「なんだ、これ…」
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