草食談

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
平日、学校へ行くのに僕が歩いていると、弱い風が吹いた。 僕がいつも通っている通学路は、途中に綺麗な桜の木々が並んでいる。 その弱い風は、一つ一つの木々を撫でていくように花びらを舞い上がらせていく。 僕はおもむろに手を伸ばし、手を広げてもう一度その手を握った。 (一枚でも花びらが手のなかにあったら、良いことが起きる。) 僕は若干緊張しながら、ゆっくりと手を広げた。 無かった。 「はぁ・・・」 思わずため息をついてしまう。 僕は今までこれが成功したことは無い。 子供の頃からやっているが、いつも握った手にはなにも無かった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!