その一。カサブタ

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ぼーっと先生のコトバをやはり聞き流していると、聴き覚えのあるコトバが耳にキャッチされる。 「新田!」 普段より少し強い口調で普段怒られるという確率の低い真面目女子・新田が呼ばれる。 この先生は怒るというより軽く宥めるように「最後くらい、聴いてくれよ」と続けた。 私は自分が言われたような感覚になり、慌てて解答用紙と問題用紙を照らし合わせた。まだここかよ、と半分笑い、半分落胆した。 その問いは珍しく全部合っていてこれなら解説要らないやと調子に乗る。 新田は特に面白いことをするわけでもなく、いまだ寝てるか起きてるかわからないし、うーん、つまらない。
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