その一。カサブタ

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ふと、いまの私とこの出来事がなぜかカブった。少し前の私なら、最後というコトバに敏感になっていたのかもしれない。 なのに最後であるはずの授業がつまらないという感想になったのも、ただ私自身が気づかなかっただけで、私の認識から外れたところで、このカサブタのように新しいものを受け入れるタイセイになっていたのではないか。ちなみに新しいものとは卒業後のことである。 古いキズは気づかないうちになくなろうとしている、このカサブタもやがてはなくなるだろう。 そうすれば、今あるように認識していた将来に対する心配なんかも剥がれ落ち、もうなにも心配はいらないな。 ということに気づくのかもしれない。
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