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給食後、西園寺は門脇と二人で荒れ地に来ていた
「あちゃあ、こいつは硬いな? 本当にこれで畑が出来るのか?」
「出来るわよ。吉田先生も言ってたでしょう? 今でも呼吸してるんだって。」
「しかし、こいつはどう見ても異常だろ?」
「充分湿気を与えて、何度も何度も耕せば柔らかくなりますよ?」
「吉田先生。」
「先ずは畑の大きさを決めて、それから水を全体に満遍なく浸す。それを耕し、また水を振り掛けて、と。」
「おお! さっきより柔らかくなりましたね?」
「来ましたよ? 子供達が。」
そこには首にタオルを巻き付けた生徒達の姿があった
「ふん、何だかんだ言ってやる事はやるんだな。」
感心したのも束の間
鍬片手に歌舞伎の真似事をする等、遊び半分で来ていた
「こらこら、鍬はそういう事に使うんじゃない。さて、授業始めるぞ?」
「これ授業じゃねえだろ? 農作業。」
「阿呆、農作業も立派な授業の一環だ。」
「はいはい。早くやろうぜ!」
先程まで文句を言っていた畑山だが、張り切っていた
40分後…
「大分畑らしくなってきたな。土も丁度良い具合に湿ってるし、これで苗も植える事が出来る。」
「はい、全部で10種類の野菜の苗と種があるから。」
門脇が用意したのは今植えると丁度良い時期に収穫が出来るものばかりだ
スイカの苗木、トウモロコシの種、トマト、茄子、キュウリ、ししとう、いんげん、ピーマン、ホウレン草、カボチャ、ゴーヤー等
「30センチ間隔で植えるのよ!」
こうして、開拓から種蒔き迄こなした生徒達
青空農園と名付けられた畑
青空農園の成長は、彼等と共に成長していった
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