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7月18日
青空学級1学期終業式
体育館…
「明日からこの青空学級も、夏休みという長期休暇に入るが、各自決められたルールに従うよう心掛けるように! 長期休暇中は家に帰り、鋭気を養うも由、自由に出掛けるも由だ。だが決して事故のないように。以上!」
「うおーー、明日から夏休みだ!」
「そしてお前は補習授業だ。良かったな赤塚。」
「は!? マジで?」
「赤塚君、数学、国語、理科、社会、英語全て赤点ですよ? 先生達と一緒に頑張りましょうね?」
「バイトばっかしてっからだ! 当分の間外出不可能だぞ?」
「そんなぁ。」
体育館は一気に和んだ
教室へと戻り、SHRの時間がやってきた
「外泊許可書だ。家に帰る者は、何日から何日まで。それぞれお前達の日程も組むからな。」
「そういえば通知票とか無いの?」
「いや、要らねえよ! 見せたが最後だ!」
「あるぞ。赤塚から順に取りに来い。」
西園寺から通知票をもらい、落胆する生徒
成績が思いの外好感度で喜ぶ生徒もいた
「それじゃ、精々3つの車の世話にならないように。」
3つの車【救急車】【パトカー】【霊柩車】だ
こうして生徒に釘をさし
一気にガランとなった教室をただただ見詰めていた
「…どうしたんですか? こんな生徒も居ない教室で。」
不思議そうに見詰める真琴先生
「よく…卒業式が終わった後とか、終業式後とか…こうして生徒の居ない教室を眺めていると、あいつ等の未来が見えるような気がする。」
「生徒の…未来?」
「多分錯覚なんだろうけど、それ以前に…こんな俺によくついてきてくれた。だから次も頑張れる。」
「…素敵ですね。西園寺先生は、何故教師になられたのですか?」
「恩師との約束なんです。罪滅ぼしの為に。」
「罪滅ぼし? 」
「…これ以上はお話しできませんね。」
「そうですか。西園寺先生も、早くお上がりください。」
西園寺に頭を下げ、後ろ髪を靡かせた
1学期…修了
第1話:はみ出し者の学校
―完―
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