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20×○年 6月4日
青空学級 第1回新入生入学式
小さな小さな学校の体育館
壇上には開校者【西園寺康介】が立っていた
「全校生徒諸君。名前を呼ばれたら大きな声で返事して起立!」
保護者、新教員が見守る中
一人一人名前を読み上げていく
「よし。全校生徒着席! 今回この学校の校長を務める西園寺康介だ。この学校は本来、市や県の教育施設と違い、はみ出し者が通う者ばかりだ。此処にいる我々教師も、君達と同じはみ出し者だ。」
自分達もまたはみ出し者だと言う西園寺
他の教育施設と違うのは、はみ出し者だからという理由だけではない
自分の事は自分でやり、社会に出ても恥じない大人へと成長させる目的もあった
「これから君達には、校舎の反対側にある宿舎で三年間過ごしてもらう。洗濯炊事等も全てを自分でしなければならない。」
保護者がざわめき始めた
「この学校に入ったからには、この学校のルールに従ってもらう。もしルールに従えなければ、即刻退学をお勧めする。今ならまだ間に合うぞ?」
青空学級の規則を目の当たりにした一部の生徒は、席を外し、保護者と共に立ち去った
残った生徒は10名だけであった
「他に居ないか? なら…残った生徒は教室に戻って待機するように。保護者様は暫し残って頂きます。」
門脇が生徒を誘導し、西園寺は保護者に学校の詳しい説明を施した
「改めて、青空学級校長の西園寺です。今から簡単な学校の説明と、教育費用について説明致します。先ず教育費用についての説明ですが、入学費用が100万円、授業料が5万円となります。」
「ひゃ…100万? 聞いてないわよそんな話。大体貴方の教育方針はお金なんですか?」
「安いもんでしょう? 100万なんて…大体高校を退学してからまた入学費用払って。100万どころかずっと損してるんですよ? それならこの学校に入学して卒業させた方が断然得だと思うがね?」
「何その言い方! 貴方私を馬鹿にしてるの?」
「嫌なら他を当たってくださって結構です。ま…この学校以外に引き取ってくれる場所があればの話ですが。」
西園寺の言い放つ毒に、言葉を失う保護者
「…分かりました。そんなに仰るのなら任せてみましょう。ですが、私の子が何も変わらなかったら…貴方の教師生命は終わりだと思いなさい?」
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