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私たちは、ずっと一緒に居られる。
出会った時よりも、ずっとずっと近くに居られる。
これから先も、ずっと……――。
お互いのぬくもりを感じながら、私と浩介さんはハッピーな毎日を送っていた。
そして、私たちが想いを伝え合ったあの日の、10日後。
「あれ?」
学校から帰ってきて、郵便ポストの中を確認した時……『それ』を見つけた。
「これって、エアメールってやつだよね」
赤と青の“ふち”がついた独特の封筒。
実物を見たことはなかったけど、よくドラマとかで見かけるやつだ。
ローマ字で色々書いてあって、よくわかんないけど……ジーッと文字を見つめて、気付く。
「……お母さんが、浩介さんに?」
差出人のところに、私のお母さんの名前……『高村 良子(タカムラ リョウコ)』と、ローマ字で確かに書いてある。
そして受取人は、『滝川 浩介』と、ハッキリ書いてある。
……私のお母さんが、どうして浩介さんに手紙を?
私との生活のことを聞くため? それとも、『何か別の理由』で手紙を……?
「……勝手に開けるのは、よくないよね」
差出人がお母さんだとしても、私が勝手に開けるのはダメだよね。
浩介さんに届いたものなんだから、浩介さんが開けなくちゃいけないもん。
だから、浩介さんが帰ってくるまで待とう。
帰ってきたら一緒に中を見よう。 と、そう思いながら家の中に入った。
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