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………
……
…
浩介さんが帰ってきたのは、夜8時過ぎ。
そのまま仕事部屋へ行ってしまったから、私もあとを追う。
「あの……浩介さん。 これ、私のお母さんから来たんですけど……」
「え? あぁ、そうなんだ」
それを受け取った浩介さんは、静かに封を切り、手紙を読み始めた。
「……あの、私が見ても、大丈夫ですか?」
「全部英語だけど、平気?」
「え? いや、それは……無理、ですね……」
「ん。 読み終わったら話すから、待ってて」
「……はーい」
お母さんってば、なんでわざわざ英語?
……って、もしかして私に読まれたくないような内容だったりして……?
「3週間後、こっちに来るらしい」
「え?」
「で、色々な手続きをしたあと、キミをアメリカへ連れていくんだって」
そうなんだ。 私をアメリカへ……って、え!?
ア、アメリカ!?
私がアメリカに行くの!?
「ど、どういうことですか!? な、なんで突然っ……!!」
「いや、ほらここに……って、英語は苦手なんだっけ。
ちょっと待って、日本語で書くから」
そう言って、ノートにすらすらと文字を書いていく。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございますっ……」
受け取ったノートを、静かに見つめる。
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