前へ……――。

14/26
649人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
「……どうせ私は変な奴ですよーだ」 「でも、そういうところも好きだよ?」 「……今更ご機嫌取りですか?」 「いや、本音」 クスクス笑いながら、浩介さんは私を頭をポンポンと叩く。 「俺はキミの全部が好き。 キミだって、俺の全部が好きだろう?」 ……自信に満ち溢れた顔で笑う浩介さん。 そういうことを、よく自信満々に言えるなぁ……。 まぁでも……そういうところも好きなんだけどね。 浩介さんの言葉の通り、『全部が好き』なんだ。 「……悔しいですけど、全部好きです」 「うん、俺も同じ」 チュッ と、唇と唇が触れて、そのまま、舌と舌が絡まり合う。 「……服、脱がせていい?」 「そ、そういうことは、恥ずかしいので聞かないでくださいっ……」 「そんな風に言われると、もっと色々聞いてみたくなる。 ……けど、今はまず、『親父たちに会わせること』が先かな」 「あっ……そ、そうでした……」 浩介さんの甘い口づけのせいで、すっかり忘れてた。 なんか、このまま終わっちゃうのはちょっとイヤだけど……でも、浩介さんのお父さんとお母さんの話の方が、今は重要かも。 えっと……『ほんの少しだけなら会える』って言ってたけど、それってどういうことなんだろう?
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!