🐱ミーのおんがえし🐱

ガケから落ちたネコ

　あともう少しというときだった。

ぼくがのばしたてが、ネコをこわがらせたようだ。

いやがって……
にげちゃったんだ。

だけどぼくはあきらめなかった。

とちゅうでなげだすことはしたくなかったんだ。

おとうさんにいつもいわれていたからかな？

『男はな、さいごまであきらめちゃダメなんだよ』
って。

　だからぼくはがんばって、やっとそのネコを助けたんだ。

そのときには、白いねこが黒くなっていた。

べつのネコを助けたのかと思ったくらいだった。

　体を川の水であらうと、またもとの白いネコになった。
でもふるえていた。
体だがよわっているとぼくは思った。
手平であたためていても、小さなふるえがつたわってきた。

『やっぱりきみは白いネコだったね』

『みー……』
ぼくが聞くと、かすかにないた。

耳をすませないと聞こえないくらい小さなな声だった。