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「脱いだ――」
返事が返ってくるのを待つでもなく、声を掛けながら扉を開ける俺は、部屋の真ん中に正座した堀内の姿を見て口を結ぶ。
「はい、脱げました」
今から乾燥機にかけるっていうのに、堀内は水を吸って色の変わった服を綺麗に畳んで、それを両手に乗せて差し出してきた。
「ごめんなさい。お願いします」
いや、君がいいならいいんだけどね、俺は。
俺の腰の高さまで腕を上げた堀内は、キャミソール1枚の格好でいる。
――ゴウンゴウン
2人分の服が回る乾燥機を眺めながら、静かに呟く。
「脇……」
堀内の脇が見えたって。
お願いしますと頭を下げられた時に見えた、中途半端なデカさの胸にだって。
……全く興奮しない。
逆に、それを見せられた不快感のが少し。
なら、
“どうして堀内と付き合ってる?”
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