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「――馬木が好き」
「え」
大学2年に進級した頃。
「馬木って硬派だよね」
「いつも無表情なぶん、たまに微笑んでくれるとキュンキュンする」
「でも慎一郎くんって、隠れ女顔じゃない? 可愛いよね」
俺が在籍している学部内で、女共が密かにそう噂していることを友人伝いに知る。
誰が名前で呼ぶこと許可したよ。
男には笑顔100倍だから、ちゃんと表情あるから。
勝手にタグ付けしてくれた女共は、何を思ったのか、俺のことが好きだと言い始めた。
告白する場所なんて、まーあ俺の気持ちなんて考えもしてない。
学食のおばちゃんの前。
今日はなに頼む?というノリで『付き合ってみる?』と告白してくる奴もいれば。
大学の図書館にある私語厳禁の自習室で、馬鹿高い声で言ってくる奴もいた。
もっと慎め女子。
それでいいのか女子。
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