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うちの学部の男女比率は9対1と、圧倒的に女が少ない。
こんな学部を専攻する女なんて、ビッチすぎんだろ。
中にはちゃんとした目標のある人間もいるかもしれない、けど俺には、そうとしかとれなかった。
これが俺の正直な気持ち。
だから絶対、告白を受けようと思うわけがないんだけど――。
「馬木くんのこと、好きなんだよね。付き合ってほしいなーとか、思ったりするんだけど。ど?」
「いいよ」
「え、マジ? やった」
目の前の女の花咲く笑顔。
でも、俺がこれから続ける言葉に、そんな顔してらんなくなるんだよな?
いいよ、それで結構だ。
俺は下がっていた口角を少しだけ広げて、全然笑ってない目で目の前の女を見る。
“微笑んだ”ってそれ、勘違いだから。
「でも俺、限りなくホモに近いバイなんだけど」
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