カミングアウト

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「え゛」 「……」 「う、わ……。ご、ごめ、ごめんなさい」 いや、ごめんなさいはこっちだから。 ごめんなさい、一度風呂に入って、その素顔を見せられるようになってから来てください。 秋口とはいえ、そのピッチピチの胸元バーン開いた服とかデカい乳だって、俺からすれば ボールかっ って突っ込むとこだから。 ――プ、ボールって。 妙にそれがツボに入って、心ん中で笑い転げてる自分がキモイ。 「――す……好きです」 何度目かの呼び出しに、またか、と頬をつねる。 さすがに俺も面倒臭い感情を抑えきれなくて、そんなオーラを全面に出していたと思う。 俺じゃなくても、もっといい男がいるよね? 俺が言うと、別の意味に聞こえるけど。 バイセクシャルだとカミングアウトすれば、相手は大概顔を青くする。 ホモなんて単語を出した日には、無言で立ち去っていく。 紙の中でなら許せるけどリアルは駄目ってどうなの。
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