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かずの家は、いつでも玄関が開け放されている。
奥まって、判りづらい立地をいいことに、家主のかずは施錠どころか、戸を閉めることさえせずにホイホイと出かける。
当然誰でも出入り自由。
それは野良猫でも、である。
特に冬場、南向きの寝室のベッドの上は、日溜まりを求めてまったりとくつろぐ、野良猫たちのパラダイスと化している。
もちろんかずの留守を見計らって、であるが、たまにかずはうっかりいつもと違う時間に帰宅する。
ガラガラ……ピシャッ。玄関を閉める。
出かける時は開けっ放しなのに、帰って来たら閉める。変人である。
そしてかずは、未知と遭遇する。
驚天動地した野良ちゃんの、脱出をかけた闘いが今、始まる。
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