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「楽しみですね。姫さまを見て、並みいる貴公子たちがどんな反応をするか……。こんなに美しい方はそうそういませんからね。皆、口を開けて姫さまに見とれるでしょうよ」
リディアは、自分のことのように得意気に胸を張った。
「そんな……いやだわ、リディアったら」
セレスティーヌは恥じらって、長い睫を伏せた。
白い頬が、ほのかな薔薇色に染まっている。
そんな表情はひどく可愛いらしかった。
己れのちょっとした表情や仕草が可憐な美貌にさらなる魅力を添えていることに、セレスティーヌはまったく気づいていなかった。
「……でも……楽しみだわ、今宵の舞踏会」
咲き誇る白い薔薇に視線を馳せて、セレスティーヌは小さくつぶやいた。
「任せてください。これ以上はないってぐらい、美しく飾ってさしあげますから。もとがこんなに綺麗なんですもの。着飾った姫さまはさぞお綺麗でしょうね。今でさえ、お人形さんみたいなんですから」
リディアは楽しみで仕方ないという表情で、鼻をぴくつかせた。
あからさまな賛辞に再び頬を染めながら、セレスティーヌの思いは今宵の舞踏会へと還っていった。
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