第1章

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柔らかな春の陽射しが、新緑に香る城の庭園を眩しいほど明るく照らしている。 白い薔薇に囲まれた白亜の四阿(あづまや)に、可憐な美姫(びき)が佇んでいた。 汚れを知らぬ淡雪のような、白いキメ細やかな肌。 長く揃った睫。 大きなスミレ色の瞳。 スッと細い鼻梁。 やや薄めの、小さな薔薇色の唇。 輝くブロンドを肩の下で人形のように巻き、淡いピンクのドレスを着て佇むその姿は、匂い立つように美しかった。 年の頃は16、7……長い睫にけぶった夢みるような瞳とかすかに開いた唇がどこか頼りない雰囲気を漂わせ、男の庇護本能をかき立てずにはおかない儚気な風情を醸し出していた。 裾の大きくひろがったオーガンジーのドレスが、姫の可憐な美貌をいっそう際立たせている。 はだけた胸もととパフスリーブの袖口に白いレースがふんだんにあしらわれ、姫の人形めいた可愛いらしさを極限まで引き立てていた。
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