プロローグ

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家から徒歩5分の所にバス停がある。 バス停に近付くにつれ、今私が気になっている彼の姿が徐々にハッキリ見えてくる。 良かった、今日もいる。 ホッと胸を撫で下ろして彼から少し離れた距離にあるベンチに腰を降ろす。 そして、彼を見つめる。 これが私の日課。 何故、彼を好きになったのか自分でも分からない。 いつの間にか、目で追うようになってた。 彼を見つめれば胸の鼓動は高なり、顔が真っ赤になる。 話しかける勇気もない私は彼がバスに乗り込み発車した後の後ろ姿を見送る事しかできない。 心の中で『いってらっしゃい』と呟きながら。
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