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「俺さ……ずっとこの前のこと気にしてて……」
「……え?」
この前のって……あのときのこと?
「それで……その……宇佐美さんたちからはきちんと俺に向き合ってくれてるのに……俺は……なんというか……それから逃げてたというか……あんまり自分から話しかけてなかったし……」
「そ、そんなの気にしなくていいよ!!私が好きで話しかけてるだけだし!」
そうだよ……
気にすることなんてないんだよ……
つらいなら……奥田くんはなにもしなくていいんだよ……
「……ううん……それじゃダメなんだ……きちんと向き合わなきゃ……そうしないと……俺……いつまでも宇佐美さんたちを友達として見られない気がする……」
「……奥田くん……」
そんなこと思ってたんだ……
「だから……言わせてほしい……」
そう言って奥田くんは大きく息を吸い込んだ……
「あの日から……なにも変わらずに……話しかけてくれて……ありがとう……だから……よかったら……これからも……友達として……よろしく!」
「…………」
ちょっと涙が出そうになってしまった……
私が友達でいいのかな……
でも私は……
なにがあっても……
奥田くんの……
力になりたい……
だから私は……
「……こちらこそ!よろしくお願いします!!」
そう言って深々と頭を下げた……
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