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「それで…ね?」
「……うん?」
宇佐美さんがなにか言いづらそうにゴニョゴニョしてる…
「さっき…京太くんのことを見て…あぁ…京太くんかっこいいなって思ったの…」
「……………え?」
え?
それは…どういう…
ていうか…さっきって……いつ?
「有栖と凪くんのこと…見てるとね…あぁ、羨ましいな…って思うんだ…」
「……………」
え?これって…
「私も…あなたの……京太くんの隣にいられたらな…って」
「………え?ちょっと…」
「でも…さっきの…京太くんのこと見て……そしたら急に不安になって……もしかしたら未来の京太くんは他の女の子と一緒にいるかもって…隣にいるのは私じゃないかもって……そう思ったら怖くなって」
「……あ、……あの」
「誰かに取られちゃうくらいなら今ここで…」
「ちょっ…宇佐美さん…」
「わ、私…京太くんのことが…」
「宇佐美さん!」
俺は大きな声で宇佐美さんの言葉を遮った
その先の言葉は…なんだか聞きたくなかった
一重に怖かった…
「い、いまからさ…宇佐美さんの家に行ってもいい?」
「……え?」
「ほ、ほら…俺まだあの日逃げ帰っちゃったことさ…宇佐美さんのお母さんに謝ってないし…」
「そ、そんなの気にしてないってお母さんが…」
「う、ううん…俺が気にするんだ…失礼なことしたからきちんと謝らなきゃ…」
「で、でも…お母さんのことより今は私の……」
「その話……聞きたくない…な」
「……え?」
言った……
言ってしまった……
「宇佐美さんの家に行ってもいい?」
「あ…あぁ……う、うん…わかった…いいよ?」
「うん…ありがとう」
そして俺たちは肩を並べて歩きを再開した
さっきよりも妙に重い足で……
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