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「お、お姉さんだったんですね…」
そういえば…凪くんがいるって言ってたよね…私…馬鹿だなぁ
なんだかものすごい安心した…
「ふふふっ…ものすごい安心したって顔ね…」
「えっ!」
そ、そんなに顔に出てるかなぁ…
「顔に出てるわよ…ふふっ、千代ちゃん、京太よりわかりやすいのね…」
「………み、美春先輩はエスパーですか?」
「ふふふっ、そんなわけないじゃない」
なんだかあの笑顔に全てを見透かされてるような気がした…
「あ、ところで京太がどこにいるかしらない?」
「あ、私知ってますよ~」
ここで有栖が会話に入ってきた…
ごめん…すっかり忘れてた
「千代ちゃんが有栖ちゃんのことすっかり忘れてたってさ」
「ち、ちちちちょっと!み、美春先輩!!」
え!?な、なんでわかるの!?
「千代……」ジトッ
あ、あー…そんな目で見ないで…
「そんな目で見ないでってさ」
「えええ!!」
美春先輩…お、恐ろしすぎる…
「あははっ!千代ちゃんって面白いねぇ…」
か、からかわれてた…
な、なんか恥ずかしい…
「京くんなら屋上ですよ~」
「え?一人で?」
「いや…凪と二人でです~」
「あー、凪くんか…あの二人仲いいなぁ」
中学校からの知り合いだから凪くんのことは美春先輩知ってるんだ…
「ん、教えてくれてありがとね、ちょっと見てくる」
そう言って美春さんは立ち上がった
席を離れようとしたその時
「あ、そうそう…」
美春先輩は私の耳元まで寄って来て…
「京太はねぇ…長い黒髪の子が好みなんだよ」
「え!?」
そう言って耳元から離れウインク
「じゃあ、頑張ってねー♪」
そう言葉を残しさっそうと身を翻してドアに歩いていった
その途中、男子生徒から
「もう帰っちゃうんですか?」
と言われ
「またいつでも来るわよー、楽しみにしててね」
と言ってウインク
そんな感じのやり取りをして出ていった
ウインクされた男の子は骨抜きにされたみたいにフニャフニャしていた
美春先輩…すごすぎる…
「私なんだか自信出てきた!」
「千代…?どうしたの?なんで急に?」
「よしっ!頑張るよー!」
「……………大丈夫?」
有栖は私の額に手を当ててきた
べ、別に頭おかしくなったとかじゃないし…
失礼だなぁ…
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