お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

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「………と、ところで姉さんは何しに来たの?」 心を真っ二つに折られそうになったが何とか持ちこたえてそう尋ねた すると姉さんは表情を変えた さっきまで楽しそうに談笑してた女の子とは思えないほどに… それくらい姉さんの表情は深刻なものだった 「………え?姉さん?」 「………ちょっと…ね」 「お、俺…席外しましょうか?」 「ごめんね…お願いできる?」 ここで凪が何かを察したらしい さすが空気の読める男は違うなぁ なんて的はずれな考えはそこの場の雰囲気には全くそぐわなかった それくらい雰囲気がガラッと変わったんだ 「じゃあ…京太…俺は先に教室戻ってるから」 「あ、うん…」 凪は弁当箱を片付けて屋上から出ていった そうして屋上には俺と姉さんの二人だけが残った 少しの沈黙…… 風がそよぐ音がやけに大きく耳を打つ… うるさいと感じるほどに… 「あんたさぁ…」 そしてその雑音は姉さんのその一言で破られた 「最近…妙に元気ないけど…どうしたの?」 「え?」 「この10日間くらいずっと元気なかったじゃない…私と何か話してる時はそうでもないけど話が途切れたり一人になったりすると妙に悲しそうな顔してさ…」 「姉さん…」 話すべきなのかなぁ… まぁ、凪には話したし… 姉さんにも聞いてもらうか… 身内に恋愛話するのはかなり恥ずかしいんだけどなぁ… 「どうしたの?京太…もしかしてまたイジメられてるとか…」 「え!?あ、あぁ違うよ!違う違う!心配しなくてもそっちは大丈夫!」 そうならないように努力してる………つもりだしね… なんにも変わってなかったことに気付かされたけど… 「じゃあ…なんでそんなに落ち込んでいるの?」 「………いや…その…」 俺は意を決して自分のことについて話始めた 宇佐美さんが俺に好意を寄せていること… 突然告白されてどうしたら良いかわからなくなってしまったこと… 俺の行動のせいで宇佐美さんがものすごく傷ついてしまったこと… そのせいで宇佐美さんとはしばらく会話をしていないということ… それで落ち込んでいたんだと… 俺は一つ一つ丁寧に説明した そして全てを話し終えて姉さんを見ると なんだか姉さんは震えていた…
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